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JOURNAL

グッドデザイン賞 受賞

グッドデザイン賞 受賞

Oct 05, 2023

このたびMERAYのボトルがGOOD DESIGN賞 2023を受賞いたしました。そこであらためてMERAYのボトルについて詳しく紹介させていただければと思います。

従来製品の問題点

従来の詰替えボトル

従来のパウチから容器に中身を注ぎ入れる「詰め替え方式」は、環境配慮の点ではメリットが大きいですが、問題点として詰め替えが面倒で、詰替時に手が汚れてしまったり、中身をこぼしてしまうことがありました。

MERAYボトルの解決策

このようにMERAYのクレンジング・ボトルは注ぎ入れ不要で、手も汚さず簡単に詰め替えが可能です。

交換はリフィルを引き抜くだけ

そして使用後もリフィルを引き抜くだけで交換でき、ゴミもコンパクトに。

リフィル内が真空に

さらにリフィル内が真空になるので、中身の酸化・劣化を防ぎ、衛生的で、中身を最後の最後まで使い切ることができます。

ピンクの円柱のミニマルな外観

「ピンクの円柱」になるミニマルな外観は、抜きテーパーを極限まで抑える繊細な金型技術で実現しています。手が小さい方でも手に馴染むサイズ感で、化粧台に置かれたときに、また「使いたい」と思わせる存在感のあるプロダクトになっています。

プラスチック廃棄量を95%削減

詰め替え方式にすることで都度ボトルを使い捨てる場合に比べ、プラスチック廃棄量を95%削減。さらにボトルの素材自体に石灰石を併用し、プラスチック使用量を40%削減しています。

完成までの紆余曲折

Design 01 『ガラス製ボトル』

ガラス製ボトル

一番最初は香水のようなガラス製のボトルをデザインしていました。ガラスボトルのクレンジングは見たことがないですし、差別化できてリッチなものになると思っていました。
ただガラス製のボトルはデザインとしてはいいけれど、落下した時に危ないという懸念がありました。シャンプーなどは基本的に置いたまま使いますが、クレンジングは濡れた手で持つことがあるので、落下の懸念を考慮して、この方向性はなくなりました。

Design 02 『四角柱のボトル』

四角柱のボトル

次に四角柱のデザインを検討しました。少しエレガントすぎる、ガラス製であれば映えるけれど、プラスチックではチープに見えてしまうかもということで、この方向性もドロップ。

Design 03 『マグネットキャップ』

四角柱のボトル

これはけっこう図面も引いて、モックアップもたくさん製作し、マグネットの強さや個数を検証、最終見積の段階までいきました。

四角柱のボトル
四角柱のボトル

しかしテストリサーチしたところ、マグネット式がそれほどニーズがなく、ニーズが少ないものにコストをかけるのは、最終的にユーザーのためにはならないということで、方向性を変える必要がでてきました。またコロナの影響で、マグネットの金額がかなり値上がりしてしまったという点もありました。

Design 04 『かんたん詰替方式』

四角柱のボトル

それでやっと最終デザインのかんたん詰替方式のデザインにたどり着きました。ボトルと中身を並行して製作していましたが、最終的にバター・クレンジングの粘度が非常に高く、通常のボトル・ポンプでは最後まで使い切ることが難しいといったこともありました。シャンプーなどであれば、中身が底に残っていたら水を入れて薄めて使うということができますが、バター・クレンジングは少しでも水が入るとすぐに乳化してしまいクレンジングとして使用することができなくなる、といったこともデザイン変更の大きな要因でした。



デザインを詰める

仕様もある程度決まり、ボトルの製造工場も決定しましたが、それですんなりと完成とはなりませんでした。
ひとつは抜きテーパー。金型成形では、金型からボトルを抜く際に真っ直ぐな状態では引き抜くことができないため、テーパーという少し台形のような先細りになっている状態で製作をします。

台形にすることで型から抜きやすくするためのテーパー

MERAYのボトルは蓋をつけてミニマルな円柱として見せたかったので、極限まで抜きテーパーを少なくして製作していただきました。

赤埴さん 自分の肌と向き合いながら使った

また環境に配慮して、プラスチックに石灰石を混合した素材を使用しました。そのおかげでプラスチックの使用量を40%減らすことができるだけでなく、プラスチックにはない新しいマットな質感に仕上がっていることもポイントです。

そして難航した2点目が蓋と本体の嵌合(噛み合わせ)です。クレンジングの中身が入っている状態ではボトルはそれなりの重さになります。そこでユーザーが蓋を持っても外れない強度がほしい。でも硬すぎると開けにくい。つまり蓋を持っても外れない + 女性が片手で簡単に開けれるという相反する要素の合致する点を見つけるために、爪の形状を変えたり、太さ・深さを変えたりと、信じられないくらいのサンプルを製作していただきました。

赤埴さん 自分の肌と向き合いながら使った

同じようなボトルが並んでいますが、すべて違う金型です。石灰石が入っている新しい素材のため、過去の数値があまり参考にならず、何度もトライアンドエラーを繰り返して、いちばん良い嵌合具合を探していきました。ここは製造いただいた龍江精工さんの技術力と諦めない粘りで実現できたところです。本当にありがとうございました。

赤埴さん オイルは肌がつるっとした

最初のガラスのデザインから考えると、最終的にボトルが完成するまで実に1年半近くの時間がかかりましたが、そのぶん今までにない画期的なボトルができたのではないかと思います。それが今回のグッドデザイン賞という形で評価をいただけて、とても嬉しいです。
ぜひみなさんにもこの新しいボトルのスムーズな詰め替えを体験していただきたいです。